概要
No.3100
農産物の多様化や農業生産者を対象とした金融サービスを導入して気候変動に対応したい
スリランカ民主社会主義共和国更新日 2019年03月15日
スリランカは 2009 年の内戦終結以降比較的堅調な経済成長を遂げているが、 依然として総人口の 4.1%が貧困ライン以下の生活を送っており、 そのうちの 92.0%にあたる約 77 万人が農村開発部またはエステ ート(大規模農園)に居住している。スリランカの農業セクター の GDP に占める割合は 7.6%となっており、この割合は年々減少 傾向にあるが、全就労人口の 26%は農業に従事しており、その農地は国土面積の 65.1%を占めていることから、農業・農村開発は 同国の均衡のとれた社会経済発展及び貧困削減に不可欠である。 特に北部・東部地域を中心とした乾燥地域における農業生産性・ 収益性の向上により都市部を中心とした消費地への食糧供給の安定化・食糧輸入の削減が期待される。また、スリランカ政府は国 際市場の中で競争性のある農産物の輸出を促進していることから、将来的に農業の多角化、商業化に向けた開発ニーズが増大していくことが見込まれる。
こうした状況を踏まえ、気候変動対策は、今後のスリランカ農業の取り組みを考える上で重要な観点である。これまでスリランカでは突発的な気象現象による渇水や農業生産への被害が報告されており、気候変動に適応した農業生産や生計維持手段の必要性が高まっている。このような状況の中、スリ ランカ政府は ADB からの資金協力を得てマハヴェリ川流域の灌漑開発を進めている。灌漑開発や節水技術(渇水対策)による水資源の効率的利用推進以外の気候変動対応策として、地域の気 候・土壌条件に合った適正品種の選択・農産物多様化や、気候変動に脆弱な農業生産者を対象とした金融サービス(融資・保険制度)等の可能性が考えられる。
■活用が想定される製品・技術・ノウハウ
・節水農業技術を含む渇水対策に関するノウハウ
・地域の気候・土壌条件に合った適正品種の選択・農産物多様化推進に関するノウハウ
・気候変動に脆弱な農業生産者を対象とした金融サービス(融資・保険制度)