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国際市場におけるコメの付加価値付けの取組みと野菜果実の加工技術を普及させたい

カンボジア王国

カンボジアの主要農産物はコメであるが、生産されているコメのかなりの部分が籾のまま近隣国へ輸出されている状況であり、コメの付加価値付けが、重要開発課題となってい る。カンボジアの国家開発政策である「四辺形戦略」は、農業に関連する 記述の冒頭に「精白米生産と輸出における付加価値の向上」を置き、コメの付加価値向上 の必要性を強調している。 付加価値付けが弱い理由は、第一に、生産されたコメの一部が 国内で精米されることなく、籾のままベトナムやタイに非公式に輸出されているからである。カンボジア米穀協会によると、生産された籾のうち 200 万トン前後が、籾のまま非公 式にベトナム等に輸出されているという。第二の課題として、砕米に付加価値付けが低い という問題が挙げられる。長粒米は、その細長さゆえに精米工程でどうしても折れやすく、 玄米ベースで全体の 2 割前後が砕米になるが、多くは家畜の飼料等になっており、それ以上の付加価値が付いていない。 他方、カンボジアでは、マンゴー、パイナップル、野菜、グアバ等の生産量も近年は増 加している。特にマンゴーについてはプランテーション化が進んでおり、大規模農園が増えているが、国外市場へ販売する機会は限られている。マンゴーは全国で 6 万 5000 ヘクタ ールが栽培され、うち 4 万ヘクタールはコンポンスプー州に集中している。価格は上下するが、最高値が 2000 リエル/kg、最安値が100 リエル/kg、平均で 600-800 リエル/kg である。 最も安くなる時は、身近な家畜の飼料にしているという。過去数年間で、投資によるマン ゴーのプランテーション化が急速に進められており、数年後には、さらに供給過剰になる と見られる。野菜果実の加工については、乾燥マンゴーの工場で、乾燥機械の熱効率の悪さ、加工に適した熟度を測れず、未熟や過熟で加工できない果実が無駄になっているため 対策が必要であることが確認された。 砕米の付加価値付けを高める手段として、砕米を粉砕して米粉を製造することが挙げられる。カンボジアには、石臼で米粉を作る伝統的な製造方法が存在するが、この製法で作 られた米粉の用途は麺類等に限られてしまう。日本では、最近、複数の機械メーカーが新 しいタイプの米粉製造機械を開発した。これは、圧縮空気を送り込むことによってコメ粒 同士を互いにぶつけ合わせて破砕する「気流式」(Jet mill)と呼ばれる技術である。でき上 がる米粉は、石臼ですり潰された米粉に比べて、粉粒の径が小さく、かつデンプンの損傷 が少なくて済むという特徴がある。これによって、ケーキやパン等の膨らみが良くなるた め、欧米等、これまでに出荷されていなかった新たな市場を開ける可能性があると日本の 機械メーカー側は考えている。このような高品質の米粉は、同じ原材料から少しでも高い 付加価値を得たいと考えているカンボジアの精米企業にとって一つの可能性であり、本調 査で聞き取りしたカンボジア精米企業の大部分が関心を示した。 野菜・果実については、素材として品質のよいマンゴー等が生産過剰になりつつあるにも関わらず、天日乾燥以外の加工はほとんど行われていない。このようなカンボジアの現 状を踏まえると、冷凍や凍結乾燥など、日本の中小企業が持つ優れた野菜果実加工の技術・ 製品・ノウハウは現地ニーズに応えうる余地があると考えられる。 取り上げたカンボジア側のニーズの中では、コメに関しては、長粒米の精米工程で大量 の砕米が出ることから、基幹作物であるコメの付加価値付けが不足しているというカンボ ジアの開発課題の解決に貢献することができるため、米粉製造機械の ODA 案件化調査と ODA 普及・実証事業の実施を通じて、米粉製造機械の導入を検討することができる。さらに、コメについては、技術協力プロジェクト等の実施により輸出向けコメ種子の生産の強化が、より高品質なコメを輸出することができる。精米に関しては、資金調達が充分でな く運転資金や設備投資が充分でない精米会社が未だ多く存在することから、農業支援開発 資金スキームを強化すべく、精米事業振興のためのツーステップローンの開発金融借款を 提案する。 案件化調査では、カンボジア産の長粒米を原料とした加工品を試作し、コメの特性と最 適の用途を実験、研究することができる。さらに、欧米のグルテンフリー市場の市場調査 を実施後、買い手企業へ試作結果の情報を送り、欧米市場での販売可能性を調査する。普 及・実証事業では、導入した米粉製造機で、高品質米粉のサンプルを製造し、案件化調査 で判明した欧米の有力販売先に送付して、評価を得る。米粉製造機の公開実演を行い、カ ンボジア国内の潜在販売先へ説明する。潜在販売先とカウンターパートへ米粉製造技術と 販売情報を指導する。冷凍・凍結乾燥加工技術に関しては、既に述べたように、一部の果実には余剰があり、 特にマンゴーは非公式にタイやベトナムに輸出されている。これを冷凍や凍結乾燥加工処 理して付加価値を付ければ、カンボジアから輸出も可能となり、カンボジア政府が掲げて いる農産加工業の振興に貢献することができるため、冷凍加工管理行程の ODA 案件化調 査と冷凍・凍結乾燥加工管理行程の ODA 普及・実証事業を提案する。案件化調査では、 カンボジア産の野菜・果実の冷凍加工の試作品を作り、商品化に繋がるか実験、分析する。 原材料に向く野菜・果実の生産状況や品種を調査し、生産量が確保できるか確認する。潜 在輸出先国の冷凍野菜・果実の用途を整理し、販売可能性を調査する。普及・実証事業で は、導入した冷凍加工・凍結乾燥機械でサンプルを製造し、案件化調査で判明した有力販 売先に送付して、評価を得る。冷凍加工については、冷凍加工工場の設置規模や場所を検 証し、原料生産を抽出し、商品化の可能性を検証する。凍結乾燥機械は、公開実演を行い、 事業候補者へ製品の説明をする。潜在販売先とカウンターパートへ冷凍・凍結乾燥加工技 術と販売情報を指導する。 欧米では、小麦に含まれるグルテンに反応してしまう自己免疫疾患に悩む人々が増えて おり、市場調査会社によると、小麦代替品のいわゆるグルテンフリー市場が 2020 年には75 億 9000 万ドルに成長すると推計されている。米粉は小麦代替品の有力原材料とされて おり、仮に市場規模の半分を米粉が担うとすれば、その市場規模は 38 億ドルほどと推定さ れる。これらはパンやケーキ、パスタといった最終製品の価値総額であり、原料粉の材料 構成比を 40%、原価率を 30%とすると、米粉の市場規模は 4.56 億ドルとなる。 FAO 統計によると、2013 年の米国の小麦粉輸出価格は 545 ドル/トンであるから、小麦 代替品としての高品質米粉の目標価格をこの水準に据えるとすれば、8 万 3670 トンの高品 質米粉が必要になる。中規模の 1 時間 500 kg の製造能力のあるプラントで生産するとして、 1 日 8 時間、年間 200 日稼働とすれば、1 機で年間 800 トンが生産され、8 万 3670 トンを 生産するには、106 機が必要になる。1 機が 1 億円程度なので、我が国の中小企業にとって、 106 億円の売上が見込める。 日本や欧米諸国では、冷凍野菜・果実や凍結乾燥野菜・果実はそのまま商品として輸出 されたり、製菓や加工食品等の原料として二次加工されている。冷凍加工では細菌の混入 がないように徹底した衛生管理や検査が必要となる。さらに消費者の口に直接入る商品で あることから、残留農薬の検査も重要となる。日本では、中国製の冷凍食品において人体 の健康及び生命の安全に損害を与える可能性がある商品が混入し、大きな問題となって取 り上げられた。日本企業による徹底した衛生管理や検査の知見を用いて製造する加工野 菜・果実は、HACCP 等の食品規格基準を持つ欧米市場においても販売可能になる。さら に、近年では中国、マレーシア、タイ、ベトナムといった国々で食料品の安全に対して関 心を持つ消費者が増えていることもあり、更なる販路拡大も想定される。
関係機関

農業省

想定エリア

シェアムリアップ市

マーケティング
ファンドマネージャー
広告代理店
アセアン自動車コンサルタント
多言語PRツール制作
経営者
コンサルタント
海外輸出、進出支援エキスパート
バイヤー
越境ECコンサルタント

ICT農業技術を活用して紅茶の栽培・生産管理の効率化と付加価値を高めたい

スリランカ民主社会主義共和国

スリランカの GDP における農業部門の構成比は年々減少傾向にある。しかし、現在でも貧困層人 口の 8 割以上は農村部に居住していることから、同国の重要課題である農村部と都市部との地域間所 得の格差の是正には、農業部門の成長が重要である。同国の農業分野には多岐にわたる課題があり、 15 特に、紅茶などの伝統的輸出産業の競争力低下、農作物の低生産性、農産品流通システムの非効率性 が問題となっている。本調査では、これらの課題解決に、日本の中小企業が強みを持つ ICT 製品・技 術が貢献できるという仮説をもとに、「ICT 農業」をテーマとして調査を行った。 日本では、農業就業人口の減少と高齢化を背景に、農業の生産や流通過程の効率化を目指して ICT 技術の開発が進めらている。日本の ICT 農業技術は、センサー機器や衛星データを活用した環境情 報分析や制御による圃場管理、スマートフォンやタブレットを利用した農業クラウドによる農業生産 工程管理、GAP(Good Agriculture Practice)やトレーサビリティ確保への活用、製茶関連機器、流通・ 販売システム強化などの方面で強みを持つため、前述の競争力強化や生産性・効率性の向上といった 同国のニーズに対応が可能である。 紅茶は、スリランカの第 2 位の輸出品目であり、伝統的輸出産業として同国の経済・雇用を支えて いる。しかし紅茶は、近年の人件費や燃料費などの生産コスト上昇により国際競争力が低下傾向にあ り、多くの紅茶プランテーション企業が存続の危機に直面している。このため、広大な茶園管理や茶 栽培の効率化、労働者不足の補完、製茶工程の効率化に資する製品・技術に高いニーズがある。農業 全般に関しては、主要作物であるコメの自給は達成しているものの、農業一般の生産性の向上が頭打 ちとなっている。これは同国の農業の大部分が小規模営農であり、機械化の拡大が困難であること、 政府の普及システムが不十分で農家に気象、新品種、栽培技術等の情報が行き渡っていないことなど が理由である。また、輸出促進のための作物の品質向上も必要とされており、農家への技術普及に向 けた情報ギャップを埋め、生産性向上に資する製品・技術普及のニーズがある。なお、同国の野菜や 果物などの農産品の流通は、多くの中間業者が介在し、サプライチェーンが長く非効率であることか ら、収穫後廃棄率が高く、価格変動も大きい。これは農家の収益率の低下につながっている。そのた め、価格など必要な情報への関係者のアクセスを改善し、流通システムを透明化・効率化できる製品・ 技術へのニーズがある。 上記ニーズに対応する日本の中小企業の技術・製品を活用した ODA 事業の提案は以下のとおりで ある。これらはいずれも、同国政府が実施中の取組みを支援するものであり、ODA 民間連携スキーム を活用することを想定している。なお現時点では、同国の個人農家はこれらの製品に馴染みがなく、 経済的にも ICT 製品をすぐに購入するという状況にはないことから、中小企業はこれらの ODA 事業 を通して公共事業においてその有効性を実証し、その後に個人農家向けの市場に参入することが効果 的戦略である。 ・センサー機器と農業クラウド活用による農業生産性向上事業:農業局傘下の研究機関をカウンタ ーパートとして、センサー技術を使用した病虫害発生リスク管理技術を導入し、栽培管理の最適 化と農家への情報伝達を促進する。 ・衛星データ活用による農業関連情報整備事業:農業省農業局傘下の自然資源管理センターと協力 し、衛星データによる農地利用、土壌侵食状況等の情報を整備・分析し、分析結果の栽培リスク 軽減、収穫予測等への活用を目指す。 ・プランテーション産業の競争力強化事業:エネルギー効率の高い製茶機器、自動的に茶葉収穫か ら給与計算等を行う労務管理システム等の導入による、プランテーション産業の生産工程効率化 を目指す。 ・ICT 導入による農産品流通効率化事業:収穫量や時期、価格、在庫状況などの情報を一元管理す るシステムを農民組織やスーパーマーケットチェーンと協力して導入する。収穫後ロスを低減し、 価格変動に対応した栽培計画、生産安定化を実現し、無駄な中間コストを削減して農家の収益増 16 加を目指す。 ニーズ ■紅茶の栽培・加工 ・紅茶栽培の効率化 ・労働者不足の補完 ・製茶工程の効率化 に資する製品・技術 ■野菜・コメの栽培 ・生産性向上 に資する製品・技術 ■野菜・果物の流通 (労務管理システム) ・情報へのアクセス改善 ・流通シスエムの透明化・効率化に資する製品・技術
関係機関

農業省、農業局、プランテーション産業省、ICT、スリランカ紅茶局

想定エリア

コロンボ県、キャンディ県、ヌワラエリヤ県

英語 翻訳・通訳
元メーカー兼商社(海外事業部勤務)、現在日系コンサル会社勤務
経営者
越境ECコンサルタント
広告代理店
マーケティング

米の収穫後処理技術と品質検査に必要な技術・ノウハウを導入したい

ナイジェリア連邦共和国

ナイジェリアでは年間5百万トン程度のコメ が消費されている。(ナイジェリア農業省の資料)この消費を満たすため にコメの生産(籾)は 2004 年の 3.3 百万トンから 2013 年の 4.7 百万トンに伸びているものの、2.3 百万トンのコメ(精米換算) が輸入されている。(FAOSTAT)ナイジェリア政府は輸入米を国産米に置き換えるべくコメの生産拡大に取り組んでいる。 ナイジェリアのコメは、一般的に、多くの農家が地元で流通している籾を 利用してコメを栽培していること、栽培中の管理が適切でないこ と、収穫後の処理も機械化されていないことから、籾の品質は非 常に悪い。さらに、精米等も多くは中小業者によって行なわれて いることから、精米の品質も一般的に悪く、輸入米に品質面で劣 っている。 このため、ナイジェリアでは、籾と精米の品質の国家基準の策定(現在、 最終段階にある。)等の国産米の品質を高める試みが行なわれて おり、コメの品質に関する関心は高くなっている。一部の大手業 者は検査機器を利用して、原料である籾と製品である精米の品質 検査を実施しているものの、多くの業者はいまだ外見のみで品質 を判断しており、検査機器を利用したコメの検査の普及が望まれ ている。 ■活用が想定される製品・技術・ノウハウ ・精米機、石抜き機、選別機(夾雑物除去、色彩選別)等のコメの収穫後処理技術の向上に有効な製品及びノウハウ ・水分計、実験室用の籾摺り機、分別機、穀粒判別機、食味分析計等のコメの品質検査に必要な製品及びノウハウ
関係機関

農業農村開発省(FMARD)、農業ビジネス・マーケティング局(ABM)、ナイジェリア基準局

想定エリア

ナイジェリア全土

越境ECコンサルタント
起業家
フリーランス(語学講師)
マーケティング
英語 翻訳・通訳
元メーカー兼商社(海外事業部勤務)、現在日系コンサル会社勤務
広告代理店
経営者